最終更新:2026年7月30日
「ゲームを先に始めて宿題をしない」「YouTubeを消すと怒る」「時間になっても終われない」。毎晩同じ注意を繰り返していると、子どもだけでなく親も疲れてしまいます。
結論|ゲーム時間を減らす前に、3つを固定します
今夜は「明日から30分減らす」と宣言するのではなく、宿題→明日の準備→自由時間の順番を紙に書くところから始めてください。
ゲームや動画で悩む家庭は珍しくありません。こども家庭庁の令和7年度調査では、インターネットを利用する10歳以上の小学生のうち、動画視聴は88.8%、ゲームは85.5%でした。これは小学生全体ではなく、インターネット利用者である10歳以上の小学生を母数とした数値です。問題は利用そのものではなく、睡眠、宿題、運動、食事、家族との時間を圧迫しているかです。
「やめられない=依存」とは限りません。家庭ルールが曖昧、ゲームの区切りと終了時刻が合わない、ゲーム前の課題が長すぎる、睡眠不足や学校でのストレスがあるなど、原因を分けて確認します。登校、睡眠、食事、課金、暴言・暴力への影響が続く場合は、家庭だけで抱え込まず学校や小児科などへ相談してください。
1.ゲーム・YouTubeで困る家庭の4タイプ診断
次のうち、現在もっとも近い状態を一つ選んでください。複数当てはまる場合は、親子バトルが最も多く起きる場面を選びます。
| タイプ | 起きていること | 最初に直す場所 |
|---|---|---|
| 開始できない | ゲームを先に始め、宿題をしない | 端末を開く前の条件と帰宅後の順番 |
| 終了できない | 時間になってもやめられない | 5分前予告と終了後の次の行動 |
| 約束が曖昧 | 日によって親の対応が変わる | 親子ルール表と端末設定 |
| 勉強を強く嫌がる | ゲーム前の課題に抵抗する | 5〜10分で終わる課題への縮小 |
2.時間を減らす前に決める3つ
① ゲーム・YouTubeを開く前に終えること
基本の順番は、学校の宿題→5〜10分の家庭学習→明日の準備→自由時間です。最初から大量の家庭学習を追加せず、子どもが一人で終えられる量から始めます。
② 終了の合図と、画面を閉じた後の行動
「終了の合図」と「次の行動」をセットで決めます。たとえば、タイマーが鳴ったら、セーブして画面を閉じ、端末を充電場所へ戻すという流れです。親の怒鳴り声を終了合図にしないことが重要です。
③ 使う場所と夜の充電場所
子ども部屋へ持ち込まず、リビングなど家族の目が届く場所で使います。夜は親子で決めた共用場所へ戻し、寝床には持ち込まない運用にします。
| NG対応 | 問題 | 置き換える対応 |
|---|---|---|
| 突然没収する | 事前合意がなく反発が強くなる | 終了条件と超えた場合の対応を先に決める |
| 毎日違う基準で注意する | 親の気分で決まる状態になる | 紙のルール表と端末設定で固定する |
| 勉強量を急に増やす | ゲーム前の壁が高くなる | 5〜10分で終わる課題から始める |
| 泣けば延長する | 泣くことが交渉手段になりやすい | 気持ちへの共感とルールの運用を分ける |
| 親だけ食事中もスマホを見る | 子どもの納得感が下がる | ノースクリーン時間は親も端末を置く |
3.今夜から始める7日改善プラン
一度にすべてを変えると、親子ともに続きません。0日目に現状を記録し、1日一つずつ仕組みを加えます。
| 日 | 実施内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| 0日目 | 現在の利用時間、宿題開始時刻、画面終了時刻、就寝時刻を記録する | 注意する前に、今の状態を数字で把握できたか |
| 1日目 | 宿題→短い学習→明日の準備→自由時間の順番を決める | ゲーム前にすることが多すぎないか |
| 2日目 | 終了5分前の予告とタイマーを導入する | ゲームの区切りと終了時刻が合うか |
| 3日目 | 使用場所と夜の充電場所を固定する | 子ども部屋や寝床へ持ち込めないか |
| 4日目 | 親子ルール表を一緒に作る | 親だけで決めた命令になっていないか |
| 5日目 | アプリ、ゲーム機、Wi-Fiの制限を設定する | 口頭注意だけに頼らず自動化できたか |
| 6日目 | ゲーム前の5〜10分課題を調整する | 一人で終えられ、終わりが見える量か |
| 7日目 | 継続・調整・相談のどれに進むか判断する | 親の注意回数、画面終了、睡眠がどう変わったか |
文章より動画で確認したい方へ
制限時間だけでなく、毎日の行動の流れを変える考え方を動画で確認できます。
4.そのまま使える親子ルール表と7日記録表
空欄を親子で埋め、見える場所に置いてください。完璧なルールを作るのではなく、7日後に見直す前提で始めます。
わが家のゲーム・YouTubeルール
| 決めること | わが家の約束 |
|---|---|
| ゲーム前にすること | 宿題・ 分学習・明日の準備 |
| 開始できる時刻 | 時 分から |
| 終了時刻 | 時 分まで |
| 終了5分前 | 親/タイマー/端末が知らせる |
| 使用場所 | |
| 充電場所 | |
| 約束を超えた場合 | 翌日に |
| 見直す日 | 月 日 |
7日記録表
「できた・できない」だけでなく、親の注意回数と就寝時刻も記録します。
| 日 | 宿題開始 | 画面終了 | 親の注意回数 | 就寝 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1日目 | |||||
| 2日目 | |||||
| 3日目 | |||||
| 4日目 | |||||
| 5日目 | |||||
| 6日目 | |||||
| 7日目 |
5.毎回もめない終了手順と声かけ
- 終了5分前に予告する:突然画面を消さず、区切りを作る時間を渡します。
- タイマーを鳴らす:親の声ではなく、毎日同じ合図を使います。
- セーブ・動画終了:今の試合や動画で終える約束を実行します。
- 画面を閉じる:新しい試合、次の動画、ショート動画を始めません。
- 端末を戻す:決めた充電場所へ置き、次の行動を声に出します。
4場面の声かけ例
オンラインゲームを途中で終えにくい場合
- 終了10分前から、新しい試合やステージを始めない
- 「この試合が終わったら」と事前に決め、終了後は延長しない
- 一緒に遊ぶ友達へ、家庭の終了時刻を先に伝える
- アップデートや期間限定イベントを理由に、毎回例外を作らない
YouTube・ショート動画を止めにくい場合
- 自動再生と通知をオフにする
- 視聴開始前に「何本見るか」と終了時刻を決める
- ショート動画は終了直前に開かない
- YouTube Kidsや保護者向け管理機能を使う
- 視聴履歴と検索履歴を親子で定期的に確認する
6.端末別の保護者設定と保管ルール
子どもの自制心だけに任せ、毎日親が注意し続けると、お互いの負担が大きくなります。親子で決めたルールを、スマートフォン、タブレット、動画アプリ、ゲーム機、Wi-Fiの設定で補助します。
| 対象 | 確認すること | 公式案内 |
|---|---|---|
| iPhone・iPad | アプリ別上限、休止時間、購入承認、コンテンツ制限 | Appleの保護者向け設定 |
| Android | 利用時間、就寝時間、アプリ承認、位置や端末管理 | Google Family Link |
| YouTube Kids | 視聴範囲、検索、履歴、タイマー、保護者設定 | YouTube Kidsの保護者設定 |
| Nintendo Switch | 遊ぶ時間、終了時刻、年齢制限、オンライン交流 | Nintendoの見守り設定 |
| 家庭のWi-Fi | 子ども用端末だけ夜間停止できるか、管理画面の暗証番号 | 利用中のルーター公式サポートで確認 |
運用の穴も確認します。暗証番号を子どもと共用しない、使っていない古い端末も確認する、アプリ内課金は保護者承認にする、ブラウザからの動画視聴も確認する、必要に応じて端末側とWi-Fi側を二重に設定することが大切です。
学校用端末と娯楽用端末を分ける
GIGA端末による宿題や調べ学習まで、すべて「画面時間」として禁止しないでください。記録するときは、次の目的を分けます。
- 学校の宿題・調べ学習
- 娯楽目的のゲーム・動画
- 家族との連絡
- 学校から指定された動画や教材
兄弟・姉妹がいる家庭
- 学年が違う場合、利用時間まで同じにする必要はない
- 終了時刻、使用場所、充電場所など共通にできる部分だけそろえる
- 「兄は長いのに自分は短い」には、宿題量や就寝時刻の違いを説明する
- 共有端末は利用者ごとにプロフィールや制限を設定する
- 下の子が上の子の動画を見る時間も、娯楽時間として確認する
7.学年別の開始例と生活全体の確認
ゲーム・YouTubeの利用時間について、小学生全員に共通する一律の分数が公的に定められているわけではありません。日本小児科医会は生活全体とのバランスを考える目安として総メディア接触時間を1日2時間以内とする提言を示しています。WHOなども、座って過ごす時間、とくに娯楽目的のスクリーン時間を減らすことを勧めています。
睡眠、宿題、運動、食事、家族との会話を先に確保し、残った時間から家庭ごとの上限を決めることが基本です。
| 学年 | 平日の開始例 | 休日の開始例 | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 低学年(小1〜小3) | 15〜30分から試す | 60分程度を複数回に分ける | 親の補助なしで終えられるか |
| 中学年(小4) | 30〜45分から調整 | 60〜90分程度 | 宿題開始と就寝が遅れないか |
| 高学年(小5・小6) | 30〜60分から自己管理を練習 | 90〜120分程度 | 友達とのオンライン利用を含めて管理できるか |
時間の長さだけでなく、夜は何時に画面を閉じるかを決めてください。寝つきや朝の起床に影響がある場合は、終了時刻を前倒しします。
8.ゲーム前に置く5〜10分学習
ゲームやYouTubeの時間を減らしても、先に置く勉強が長すぎたり難しすぎたりすると、取りかかる前の抵抗が強くなります。最初に用意するのは、5〜10分で終わり、子どもが一人で進められる短い課題です。
| 避けたい課題 | 先に置きやすい課題 |
|---|---|
| 親が横につかないと進まない大量の問題 | 前日に間違えた問題を1〜2問だけ解き直す |
| 初めて学ぶ難しい単元を長時間行う | 漢字5個、計算5問、音読1回など終わりが見える課題 |
| 「何か勉強しなさい」と内容を丸投げする | 今日やることをカードやチェック表にして見える化する |
9.我が家で変えたこと|ゲームを敵にしない
我が家でも、長男がゲームを優先し、宿題が進まない時期がありました。当初は離れた場所から「ゲームをやめなさい」と注意していましたが、親子の対立が増えるだけでした。
そこで、長男が好きな野球ゲームを一緒に遊び、「宿題が終わったら一緒に対戦しよう」と順番を固定しました。ゲームを突然取り上げる対象ではなく、先にすることを終えた後の自由時間として扱ったのです。
我が家では、この変更をきっかけに、宿題に取りかかるまでの声かけが減り、自分から机へ向かう日が増えました。ただし、同じ言葉だけで全家庭が変わるわけではありません。課題量、終了時刻、端末の場所を子どもの状態に合わせ、7日間の記録で調整することが必要です。
10.7日後に「継続・調整・相談」を判断する
7日間試した後は、親の印象だけでなく、ルール表の記録を見て次の一手を決めます。
継続する
- 宿題をゲーム前に始める日が増えた
- 親の声かけ回数が減った
- 終了時刻を守れる日が増えた
- 必要な睡眠時間を確保できている
ルールを調整する
- ゲーム前の課題が長すぎる
- 終了時刻がゲームの区切りと合わない
- 休日ルールが厳しすぎる
- 親によって運用が違う
外部へ相談する
- 睡眠、登校、食事への影響が続く
- 暴言・暴力が強くなる
- 隠れ利用や課金を止められない
- 家庭だけでは話し合いが成立しない
朝起きられない状態、睡眠時間の減少、食事や入浴の拒否、暴言・暴力、課金や隠れ利用、遅刻・欠席が続く場合は、学校、スクールカウンセラー、小児科などへ相談してください。
11.よくある質問
ゲームは宿題の前と後のどちらがよいですか?
宿題が毎日後回しになる家庭では、まず7日間、宿題と明日の準備を終えた後にゲームを置いてください。ただし、帰宅直後に休憩が必要な子は、端末を使わない10〜20分の休憩を先に入れて構いません。
時間になってもゲームをやめない場合はどうしますか?
終了5分前に予告し、終了10分前から新しい試合やステージを始めないルールにします。タイマーが鳴ったら、セーブ、画面終了、充電場所へ戻すところまでを毎日同じ順番で行います。
小学生のゲームやYouTubeは1日何分までですか?
小学生全員に共通する公的な一律基準はありません。睡眠、宿題、運動、食事、家族との会話を先に確保し、生活への影響が出ない範囲で家庭ごとに決めます。本記事の時間表は、運用を始めるための一例です。
泣く・怒る場合は没収してもよいですか?
危険な行為や高額課金など緊急性がある場合を除き、その場の怒りで突然没収するより、終了条件と約束を超えた場合の対応を事前に決めます。「もっと続けたかったね」と気持ちには共感しつつ、決めた終了時刻は変えない運用にします。
YouTubeのショート動画を止める方法はありますか?
自動再生と通知をオフにし、視聴開始前に終了時刻と見る本数を決めます。終了直前にショート動画を開かない、YouTube Kidsや保護者向け機能を使う、履歴を親子で確認する方法も組み合わせてください。
何日試しても変わらない場合は、どこへ相談しますか?
まず7日間の記録を持って、担任やスクールカウンセラーへ相談します。睡眠、食事、強いイライラ、暴言・暴力、登校への影響がある場合は、小児科などの専門機関にも相談してください。
小4〜小6で、短い課題でも一人で進まない場合
現在の成績、苦手、必要な解説から、家庭学習の進め方を整理します。低学年の方は、先に「宿題+10分の3本柱」を確認してください。
高学年の家庭学習を30秒診断する※登録不要。小4・小5・小6向けの診断です。
参考・一次情報
- こども家庭庁:令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査
- 日本小児科医会「子どもとメディア委員会」:子どもとメディアに関する提言・啓発資料
- WHO:WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour
- 端末・サービス公式サポート:Apple、Google、YouTube Kids、Nintendoの保護者向け設定ページ
利用時間は学年だけで機械的に決めず、睡眠、体調、宿題、運動、食事、家族との会話、学校生活への影響を確認しながら調整してください。