【心理学×実践】小学生の「集中力がない」を解決!家庭でできる15分トレーニングと環境作り

対象:小学生(小学1〜6年)
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- TL;DR(60秒要約)
- 導入(悩み→結論→使い方)
- 第1章|集中が続かない理由
- 第2章|2レーン運用:通常15分/短縮5分
- 第3章|初動率KPIの可視化
- 第4章|よくある失敗→置換表
- 第5章|豆化テンプレ
- 第6章|集中できる机と家庭セットアップ
- 第7章|15分トレ実施プロトコル
- 第8章|誤答回収の仕組み
- 第9章|タイプ別ミニ処方
- 第10章|時間帯レシピ
- 第11章|年齢別アレンジ
- 第12章|7日ローテの“箱”
- 第13章|ごほうび等価交換表
- 第14章|具体教材・例題
- 第15章|脳科学Tips
- 第16章|心理学Tips
- 第17章|テスト可能性・透明性(E-E-A-T)
- 第18章|Q&A
- 第19章|季節・行事の対策
- 参考文献
- 著者プロフィール
- 関連記事
- まとめ1枚(文字版)
- 冷蔵庫メモ“1行版”
- 注意書き・相談先
- (再掲)明日の一手
TL;DR(60秒要約)⏱ 1分

- これだけやればOK(3行)
- 机を80%空白にして、A6メモで狙い1行。
- 2レーンを選ぶ:通常15分 or 短縮5分(音読/暗唱/並べ替え1本)。
- 終わったら誤答タグ(#用語/#語順/#計算手順)を付け、翌日回収。
- 明日の一手(1行):寝る前に「狙い1行+タイマーを机に置く」。
導入(悩み→結論→使い方)
「すぐ席を立つ」「ダラダラして宿題が終わらない」——多くは初動が作れない/課題が大きすぎる/環境にノイズが多いの3点が原因。本記事は、15分トレ(通常)と5分トレ(短縮)の2レーン運用で“ゼロの日”をなくし、誤答タグ→翌日回収までを一気通貫で回す設計です。
睡眠と覚醒リズムも集中に直結。朝の起床が不安定なら、小学生が朝起きない本当の理由と対策(チェックリスト)を併読ください。学習全体の科学的整理は、「勉強しない」を科学で解決で補強できます。
第1章|集中が続かない理由を3分で把握⏱ 3分

- 生理:睡眠リズムのズレ/体温の乱高下/水分不足で初動率↓。起床課題は朝起きない対策ガイド。
- 環境:色・物・音のノイズが多いほど判断負荷↑。片付け難は“片付けられない”を脳科学で解決。
- スキル:課題が“でかい塊”だと開始不可。豆化は本記事テンプレで対応。
- デジタル刺激:使用時間の整理はYouTube・ゲーム時間を減らす対策へ。
- 相談の目安:学校生活に強い支障が続く、著しい多動・衝動が目立つ等は学校・自治体の教育相談、小児科・発達外来へ。
第2章|2レーン運用:通常15分/短縮5分⏱ 2分

- 通常15分= 初動30秒 → 集中10分 → クールダウン4分。
- 短縮5分= 初動10秒 → 音読/暗唱/並べ替え1本だけ。
- その日のエネルギーでどちらか必ず選ぶ=“ゼロの日”を作らない。
初動で迷う子は、意思決定の詰まりに特化した「優柔不断」を4週間で克服するロードマップが相性◎。
第3章|初動率KPIの可視化(テキスト進捗バー)⏱ 1分
指標は3つだけ:①初動成功率 ②1回の完了数 ③週の7/10達成
今週の初動チェック(○/×):月:○/× 火:○/× 水:○/× 木:○/× 金:○/× 土:○/× 日:○/×

ミニルーティン:目標を達成したら家族でハイタッチ+「続け方」を1行メモ。
“勉強しない”の原因特定は体系記事【保存版】子どもが勉強しない時の原因と対策が便利。
第4章|よくある失敗→置換表(NG→代替)⏱ 3分

- 「ちゃんとやって」→「2分で1問だけ」
- 「早くしなさい」→「タイマー3分、どこまでできる?」
- 「全部終わらせて」→「区切り1つでOK」
- 「集中して」→「音読2分から入ろう」
- 「片づけて」→「鉛筆3本とノートだけ出す」
- 「なんでできないの」→「どこで止まった?1行で教えて」
- 「まだ?」→「あと1分で鈴、そこまででOK」
- 「ミス多い」→「最後の1分は声出しチェック」
- 「やる気ある?」→「狙い1行を書こう」
- 「もっと頑張れ」→「区切り1つできた、継続力が増えたね」
- 声かけの型は、宿題バトル卒業!自ら学ぶ声かけ7選に実例多数。
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第5章|豆化テンプレ(教科別“2–3分の粒”見本)⏱ 5分
- 計算:1問×解き直し1回/手順を声に出して説明(算数強化は算数を完全攻略:文章題も家庭で克服)。
- 漢字:読む1分→書く1分→文に入れる1分。
- 読解:段落ごとに要約1行/指差し音読。
- 理科:用語の15字説明1本。
- 社会:歴史年号の覚え方(7日完成)/世界の国と首都:効率的な覚え方。
- 英語:音声まね30秒×3/短文穴埋め1行(目標設計は英検5級ロードマップ)。
- 作文:「誰が/何を/どうした」1文+理由1文。

第6章|“集中できる机”と家庭セットアップ⏱ 5分

- 机80%空白の1行ルール:「机に出して良い物=ノート・鉛筆・消しゴム・タイマー・水だけ」。忘れ物は忘れ物ゼロ:タイプ別対策×前日5分テンプレ。
- スタート合図(選べる5種):「10分いきます/静かにいきます/2分×2でいきます/音読から入ります/今日は短縮で5分」。
- サイレントカード(家族向け):「これから10分静かにします。終わったら声をかけます。— 子どもより」。

“出しっぱなし”が常態なら脳科学で片付けを設計が近道。
第7章|15分トレ実施プロトコル(テンプレ徹底)⏱ 10分

7-1 初動30秒(固定化)
- 4–6呼吸×3回(吸4秒→吐6秒)
- 面を整える(ノート中央・鉛筆右・消しゴム上)
- 狙い宣言「10分で計算3問」
- If-Then:気が散ったら→「“あと”メモに書いて戻る」
7-2 集中10分(豆タスク化)
- 2–3分×3–4個に分割。進捗は●、誤答は□で記録。
- 椅子深め/足裏べた/紙は体の正面。
7-3 クールダウン4分
- 30秒ふり返り→30秒片付け(机80%空白)→称賛1分。
「約束が守れない」系は、実行機能の観点で約束を守れない…高学年が動く声かけが補助線に。
今夜からの始め方(座る→1単元→褒め一言) → 宿題しない時の“15分”実践
第9章|タイプ別ミニ処方⏱ 3分
- 始められない:呼吸1回+狙い1行→2分課題に即着手。
- 席を立つ:立位タスク(音読・地図指差し・単語カード)へ。
- ミスが多い:最後の1分は声出しチェック固定。
「怒りやすい」「口答えが増えた」など情動課題は、“すぐ怒る/キレる”原因と対処、口答えの理由と対策が参考。
第10章|時間帯レシピ(朝/帰宅後/就寝前)⏱ 2分
- 朝:音読2分+要約1行(ウォームアップ)
- 帰宅後:通常15分(核)/疲れている日は短縮5分
- 就寝前:誤答タグを1件見て明日の狙い1行を書く
長期休みの時間設計は、冬休みの宿題計画表テンプレ(学年別)が超実用。
第11章|年齢別アレンジ(低・中・高学年)⏱ 3分
- 低学年:ブロック1–2分×5/音読中心/絵やマグネット利用。+例:「声に出して数える→丸→色ぬりで完了」
- 中学年:3分×3/要約1行/図表への書き込み。+例:「指でなぞる→キーワード○→1行要約」
- 高学年:5分×2+2分回収/15字説明・因果カード。+例:「用語→15字→因果→1問演習」
自己肯定感の下支えはメンタルトレーニング5選もどうぞ。
第12章|7日で回す“箱”(ローテの穴埋め表)⏱ 2分
今週のローテ(空欄を埋める)
Day1 計算__/Day2 漢字__/Day3 要約__/Day4 理社__/Day5 回収__/Day6 興味__/Day7 休息orごほうび__
季節行事の例(迷ったらこの型)

・運動会週:短縮5分×1本を毎日/前日は体力優先で「音読2分のみ+振り返り30秒」
・学芸会週:帰宅後は通常15分→台詞音読を1ブロック差し替え/当日は誤答タグ1件だけ
行事ウィークの全体設計は小学校の行事ぜんぶガイドで最適化。
第13章|ごほうびの等価交換表⏱ 2分
原則:小さく・即時・可視化。罰は設けない(再開コスト↑を防ぐ)。
- スタンプ10個 → A 好きな読書10分 / B 好きなおやつ(小) / C 家族とゲーム5分 / D 就寝前の雑談10分

「ごほうび依存」が気になるときは、小1–小3が言うことを聞かない時の具体策の内的動機づけパートが参考。
第14章|具体教材・例題(“すぐ始める”セット)⏱ 5–8分
14-1 15字説明のお題リスト(30本・理社)
火山/地震/扇状地/三角州/稲作/畑作/季節風/寒流/暖流/水資源/公害/省エネ/国会/内閣/裁判所/地方自治/税金/市場/貿易/関税/少子化/高齢化/過疎/工業団地/自動車工業/情報通信/都心/近郊農業/漁業/観光
→ 15字以内で説明(例:季節風=「季節で向きが変わる風」)
14-2 要約1行の“型”
誰が/何を/どうした(要点は1つ)。例:太郎が川で実験をして水質を測った。
14-3 並べ替え(語順)ミニ問題5題(答えは次行の[+])
- (川/で/太郎/測定/をした) → [+] 太郎は川で測定をした
- (原因/結果/により/起きた) → [+] 原因により結果が起きた
- (議会/決める/法律/で/を) → [+] 法律を議会で決める
- (工場/増加/地域/に/が) → [+] 地域に工場が増加
- (観光客/経済/は/地域/を支える) → [+] 観光客は地域経済を支える
第15章|脳科学Tips⏱ 2分
第16章|心理学Tips⏱ 2分
- If-Thenプランニング:「もし気が散ったら→“あとメモ”」。迷いを事前に決め初動成功率↑。
- 刺激制御:定位置・色数固定で選択肢を減らし自己制御の消耗を予防。生活面の導入は“勉強しない”を科学で解決が詳しい。
- 具体称賛:結果より過程を言語化(例「区切ったから始めやすかったね」)。
第17章|テスト可能性・透明性(E-E-A-T強化)⏱ 2分
- 成功条件3つ:①机上が空白 ②狙いが1行 ③タイマーが見える
- 測定指標3つ(KPI):初動成功率/1回の完了数/週の7/10達成
- やめどき:10分を越えて集中が切れたら延長しない(成功体験を守る)
家庭事情で“勉強以外”の心配が大きい時は、関係スキルの土台づくりとして友達トラブルの正しい介入も参照。
第18章|Q&A(ミニ:5問に拡張)
Q:5分しかできない日が多い…
A:短縮5分レーンで“ゼロの日”をなくす。連続性に価値。
Q:宿題が多くて15分に収まりません。
A:“豆化”で2–3分粒に分割し、今日やる粒と翌日に回す粒を分ける。誤答はタグ化し翌日回収へ。
Q:タイマーが嫌(ストレス)。
A:無音タイマー/光タイマー/砂時計に切替。終了合図→称賛の流れは維持。
Q:週ローテが崩れてしまう。
A:“短縮5分”で連続性を死守。行事週は運動会=毎日5分1本、学芸会=通常15分の一部を台詞音読へ差し替え、当日は誤答タグ1件のみ。
Q:子どもが途中で席を立つ。
A:立位タスク(音読・地図指差し・単語カード)へ差し替え、最後の1分を声出しチェックに固定。
第19章|季節・行事の“落とし穴”対策⏱ 2分
- 直前週:短縮5分×1本で継続優先。
- 明けのリスタート台詞:「今日は合図だけ+2分×1本でリズムを戻そう」
運動会/学芸会/学級閉鎖などイレギュラー週の動線は、運動会 前日チェックリスト/学芸会・音楽会 完全ガイド/学級閉鎖の対処法が役立ちます。
参考文献
- Gollwitzer, P. M. (1999). Implementation Intentions. American Psychologist, 54(7), 493–503.
- Wood, W., & Rünger, D. (2016). Psychology of Habit. Annual Review of Psychology, 67, 289–314.
まとめ1枚(文字版)
- 合図の言葉:5種のうち1つを固定
- 豆化の例:2–3分粒(計算1問/要約1行/15字説明1本…)
- If-Then文:気が散ったら「“あとメモ”に書いて戻る」
- サイレントカード文:「これから10分静かにします…」
- 3KPI:初動率/完了数/7/10達成
- テキスト進捗バー: (凡例:■=10%)
冷蔵庫メモ“1行版”
狙い1行 → 2分×2 → 声出しチェック1分 → スタンプ
注意書き・相談先
本記事は一般的な学習支援の枠組みです。学校生活や対人関係に強い支障、著しい多動・衝動、長期の停滞がある場合は学校・自治体教育相談、小児科・発達外来にご相談ください。
(再掲)明日の一手
寝る前に「狙い1行+タイマーを机に置く」だけやる。

