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計算問題はできるのに、文章問題になると式が作れない。
そのときは「もっと読みなさい」より先に、どこで止まったかを確認します。
この記事は、計算問題はある程度できるものの、文章問題になると何算を使うか分からない小学生の保護者向けです。文章問題で止まる場所を「問い・数量関係・図・式」の4段階から判定し、今夜1問で試す方法と、1日10分・7日間の練習を具体的に説明します。
この記事が合うケース
- 問題文は音読できる
- 基本計算はある程度できる
- 文章題だけ式が作れない
- 親がどう質問すればよいか分からない
先に別の原因を確認するケース
- 計算そのものが難しい
- 小数・分数など単元理解が抜けている
- 文章問題以外でも算数全般が低い
- 複数教科で大きくつまずいている
30秒結論|今夜やることは1問だけです。
宿題や教科書から文章問題を1問選び、①数字と単位に丸、②問いに線、③数量関係を一言、④図から式への順で進めてください。最初から大量の問題を解かせる必要はありません。
30秒判定|文章問題のどこで止まっている?
最近間違えた文章問題を1問見ながら、親子で答えてください。最初に「いいえ」になる場所が、今週の重点候補です。
1.文章問題で止まる場所を4段階で判定
文章問題が苦手な原因を「国語力がない」「算数が向いていない」と一つに決めつける必要はありません。文章題では、言葉の理解、数量関係の把握、図や式への変換、計算など複数の処理が必要です。まずは正解・不正解よりも、子どもの手が止まった場所を見ます。
文章問題の成績には、計算力だけでなく、言語理解や作業記憶など複数の要因が関係することが報告されています。参考:Word problems: a review of linguistic and numerical factors contributing to their difficulty、Do the Processes Engaged During Mathematical Word-Problem Solving Differ...
| 子どもに聞くこと | できない場合 | 仮判定 | 親の最初の質問 |
|---|---|---|---|
| 何を求める問題か言える? | 問いや答えの単位が分からない | 問い理解タイプ | 「答えには何という単位がつきそう?」 |
| 増えた・減った・比べた・分けた等を言える? | 数同士の関係を説明できない | 数量関係タイプ | 「最初と最後で数はどう変わった?」 |
| 丸・線・矢印・表で表せる? | 頭の中の状況を図へ移せない | 視覚化タイプ | 「分かっている数をどこに置く?」 |
| 図を見て式にできる? | 演算や数字の順番を選べない | 立式タイプ | 「合わせる・取る・分けるのどれ?」 |
問い理解タイプ|何を答える問題か分からない
問題文を最後まで読んでも、「何を聞かれたの?」に答えられない状態です。数字を探す前に、最後の問いへ線を引き、答えの単位まで言わせます。
親の質問:「答えには『こ』『人』『cm』『円』のどれがつきそう?」
単位が言えたら、「その数を見つける問題なんだね」と確認します。
数量関係タイプ|増減・比較・分配が分からない
数字は見つけられても、数同士がどのようにつながっているか説明できない状態です。「足す・引く」を先に聞かず、「何が起きたか」を短い言葉にします。
親の質問:「数は増えた?減った?比べている?同じ数ずつ分けている?」
子どもが「増えた」まで言えたら、まだ式を教えず、次に図へ進みます。
視覚化タイプ|状況を図にできない
文章の内容は説明できても、線分図や丸、矢印に置き換えられない状態です。最初は親が図の枠だけ描き、子どもに数字を入れてもらいます。
親の質問:「最初の数は左と右のどちらに置く?増えた数はどこにつなぐ?」
きれいな図は不要です。全体と部分、最初と最後が区別できれば十分です。
立式タイプ|図を見ても何算か選べない
図までは描けても、足し算・引き算・かけ算・割り算のどれを使うか迷う状態です。記号を教える前に、図の動きを言葉に戻します。
親の質問:「図の数を合わせる?一部を取る?同じ数ずつまとめる?分ける?」
迷う場合は、最初だけ「+と−ならどちら?」の2択にして、翌日から選択肢を減らします。
2.今夜1問で試す4ステップ
文章を読んだ直後に式を作らせるのではなく、毎回同じ順番で進めます。例題は次の問題です。
例題
りんごが8こあります。あとから5こもらいました。全部で何こになりましたか。
ステップ1|数字と単位に丸
「8こ」「5こ」に丸をつけます。数字だけでなく単位まで囲むと、何の数量か見失いにくくなります。
ステップ2|問いに線
「全部で何こ」に線を引きます。求めるものは「りんごの合計」、答えの単位は「こ」です。
ステップ3|関係を一言
「あとから5こ増えた」と言葉にします。演算名ではなく、数量がどう変わったかを確認します。
ステップ4|図から式へ
最初の8こと、増えた5こをつないで全体を表し、図を見て「8+5=13」と式にします。
文章 → 図 → 式の順で考える
全部 ?こ → 8+5=13 → 答え 13こ
最後に「答えの向き」と単位を確認する
式ができたら、計算だけで終わらせず次の2点を確認します。
- 5こ増えたのに、答えが8より小さくなっていないか
- 問いの単位「こ」と、答えの単位が一致しているか
今夜の終了条件
1問を10分以内で終えたら、その日は終了です。正解できなくても、止まった段階が分かれば次の練習内容が決まります。
3.足し算・引き算・かけ算・割り算の図解例
「全部で」と書いてあれば必ず足し算、「ずつ」があれば必ずかけ算、とは限りません。頻出語は手がかりですが、全体・部分・差・1つ分・いくつ分の関係を見て式を決めます。
足し算・引き算|増加・減少・合併・比較・逆算を分ける
| 型 | 例 | 関係 | 式 |
|---|---|---|---|
| 増加 | 8こあり、5こもらった。全部は? | 最初+増えた=最後 | 8+5 |
| 減少 | 13こあり、5こ食べた。残りは? | 最初−減った=残り | 13−5 |
| 合併 | 赤8こ、青5こ。合わせて? | 部分+部分=全体 | 8+5 |
| 比較 | Aは13こ、Bは8こ。違いは? | 大きい数−小さい数=差 | 13−8 |
| 逆算 | 5こもらって全部13こ。最初は? | 最後−増えた=最初 | 13−5 |
「全部で」があっても引き算になる逆算問題
全部 13こ → 13−5=8
かけ算|「1つ分×いくつ分=全体」で見る
「3枚のお皿に、みかんが4こずつあります。全部で何こですか」を図にすると、1つ分といくつ分を区別できます。
1つ分 4こ × いくつ分 3皿 = 全体 12こ
4×3=12
割り算|「1人分」と「何組」を分ける
等しく分ける
12こを3人で同じ数ずつ分ける。1人分は?
全体12こ ÷ 人数3人 = 1人分4こ
12÷3=4
いくつ分あるか調べる
12こを3こずつ袋に入れる。何袋できる?
全体12こ ÷ 1袋分3こ = 4袋
12÷3=4
式は同じでも、答えの意味と単位が違います。「何人に分ける」のか、「何こずつにする」のかを問いと図で確認してください。
キーワードだけで決めない4つの例
| 目立つ言葉 | 問題 | 使う式 | 見る関係 |
|---|---|---|---|
| 全部で | 5こもらって全部13こ。最初は何こ? | 13−5 | 全体から増えた部分を取る |
| 残り | 5こ使って残り8こ。最初は何こ? | 8+5 | 残りと使った部分を合わせる |
| ずつ | 12こを3こずつ分ける。何組? | 12÷3 | 全体に1つ分がいくつあるか |
| 倍 | 12は3の何倍? | 12÷3 | 比べる量÷もとにする量 |
4.学年別につまずきやすい文章問題
文章問題は、現在の学年だけでなく、前に学んだ数量関係を使います。学年ごとに「どの図を使うと考えやすいか」を整理します。
| 学年 | つまずきやすい内容 | 家庭で使う図・具体物 | 確認する言葉 |
|---|---|---|---|
| 小1・小2 | 増加・減少・合併・比較、かけ算の1つ分 | おはじき、丸、矢印、短いテープ図 | 最初、増えた、減った、全部、違い |
| 小3・小4 | 割り算2種類、小数・分数、単位換算、複数段階 | グループ図、数直線、表、2本のテープ図 | 1つ分、いくつ分、同じ数ずつ、何倍 |
| 小5・小6 | 割合、速さ、比、比例、条件が多い複合問題 | 関係図、数直線、表、テープ図 | もとにする量、比べる量、単位量、対応 |
文章から図と式までは作れるのに、計算で間違える場合
文章問題の手順ではなく、計算や前の単元の理解を確認します。今の学年の問題を増やす前に、誤答した計算や単元へ戻ってください。
中学進学後の数学につながる補足
小学生の文章題は解けるようになったものの、中学進学後に「計算はできるのに数学だけ点が取れない」状態になった場合は、この記事とは別の検索意図です。中学生で数学だけできない原因と戻り学習で、戻る単元の切り分けを確認してください。
5.親が使う質問とやってはいけない教え方
親が式をすぐ教えると、その問題は終わっても、子どもが数量関係を確認する機会が減ります。一方で「自分で考えて」と放置する必要もありません。止まった段階に合わせ、質問から始めてヒントを少しずつ具体化します。
| 避けたい言葉 | 代わりに言う言葉 | 確認する段階 |
|---|---|---|
| ちゃんと読んで | 「何を聞かれている文に線を引こう」 | 問い |
| これは足し算でしょ | 「数は増えた、減った、比べたのどれ?」 | 数量関係 |
| さっき教えたよね | 「前と同じところまで一緒に確認しよう」 | 図・式 |
| なんで分からないの | 「どこまでは分かった?」 | 停止箇所の確認 |
ヒントは4段階で少しずつ具体化する
- 質問だけ:「何を求める問題?」
- 図の枠だけ描く:子どもに数字を入れてもらう
- 演算を2択にする:「+と−ならどちら?」
- 類題を一緒に解く:元の問題へ戻って再挑戦する
次の状態になったら、その日は終了する
- 10分を超えた
- 泣く、怒る、黙り込む状態になった
- 同じ説明を3回繰り返している
- 親が答えを言いそうになっている
終了することは諦めではありません。「今日は問いまで分かった。続きは明日」と、できた段階を言葉にして終えます。
学校へ相談する目安
診断名を家庭で推測せず、次の状態が続く場合は担任の先生へ、授業中の様子や学校で使っている図の描き方を確認してください。
- 学校でも家庭でも同じ単元で長期間止まる
- 問題文の読み違いや読み飛ばしが非常に多い
- 数量の大小や基本計算にも強い困難がある
- 学習への強い苦痛や拒否が続く
6.1日10分・7日間トレーニング
7日間は、ステップを1日ずつ分割するのではなく、毎日1問で4ステップを全部使い、その日の重点だけ変えます。初日から「文章→図→式」の流れを経験できるためです。
開始前|同じ難易度の3問で基準を記録する
教科書や宿題から、子どもが最近学んだ同じ型の文章問題を3問選びます。正答数だけでなく、次を記録してください。
- 問いと単位を説明できたか
- 数量関係を言葉にできたか
- 図を描けたか
- 式を作れたか
- 親のヒントは何回必要だったか
| 日 | 毎日行うこと | その日の重点 | 親の関わり |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 4ステップで1問 | 順番を覚える | 親子で一緒に進める |
| 2日目 | 4ステップで1問 | 問いと答えの単位 | 「何を求める?」だけ聞く |
| 3日目 | 4ステップで1問 | 数量関係を一言にする | 増減・比較・分配を質問する |
| 4日目 | 4ステップで1問 | 図を自分で描く | 必要なら図の枠だけ描く |
| 5日目 | 4ステップで1問 | 図から式へ変える | 演算は言わず、図の動きを聞く |
| 6日目 | 同じ型の類題を2問 | 手順の再現 | 1問目だけ補助し、2問目は見守る |
| 7日目 | 初見問題を3問 | 自力で再現できるか判定 | ヒント回数だけ記録する |
家庭用記録シート
「○=自力」「△=ヒントあり」「×=できない」で記録します。スクリーンショット、コピー、印刷のいずれでも使えます。
| 日付 | 問い・単位 | 数量関係 | 図 | 式 | ヒント回数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1日目 | |||||
| 2日目 | |||||
| 3日目 | |||||
| 4日目 | |||||
| 5日目 | |||||
| 6日目 | |||||
| 7日目 |
問題数を増やす基準
同じ型の問題を3問中2問、自力で図と式まで作れたら、翌週から1日2〜3問へ増やします。できない段階が残る間は、問題数より手順の再現を優先してください。
7.7日後の結果を3択で判断
7日目は初見問題を3問使い、正答数だけでなく、問い・数量関係・図・式を自力で再現できるか確認します。
7日目の判定基準
- 問いと単位を3問中3問確認できる
- 数量関係を3問中2問説明できる
- 図を3問中2問描ける
- 式を3問中2問正しく作れる
- 親のヒントが1問につき1回以下
選択1|家庭で継続
3問中2問以上、自力で図と式を作れた場合
同じ手順を続け、翌週から1日2〜3問へ増やします。親は正解よりも「問いを見つけた」「図まで描けた」と途中段階を具体的に認めてください。
選択3|学習方法・支援先を見直す
毎回親が説明しないと始められない、または強い拒否が続く場合
- 漢字・算数用語で止まる → 記事95
- 間違いへの恐怖が強い → 記事93
- 小4〜小6で親の負担が大きい → 記事4
- 学校でも長期間困っている → 担任へ相談
小4・小5・小6で、7日間試しても毎回親の説明が必要だった場合
図解・動画・自動採点など、子どもが一人で進めやすい学習形式へ切り替えるべきかを確認します。診断後は、第一候補・第二候補と合わない条件まで表示します。
※小4・小5・小6の保護者向けです。小1〜小3は、先に記事56で計算と単元理解を確認してください。
【小4〜小6】親が教え続けるべきか30秒で判定する8.よくある質問
Q1.算数の文章問題が苦手な一番の原因は何ですか?
一つの原因に決めることはできません。問いの理解、数量関係、図への変換、式への変換、計算のどこで止まるかを確認してください。この記事の4段階判定では、最初に「いいえ」になる場所を練習の重点にします。
Q2.国語の読解力を上げれば文章題も解けますか?
語句や文の理解は関係しますが、国語力だけで決まるわけではありません。音読できても式にできない場合は、数量関係を短い言葉や図に置き換える練習が必要です。漢字や「差・倍・割合」などの意味で止まる場合は、語彙の確認を優先します。
Q3.文章問題は何年生から対策すべきですか?
小1の足し算・引き算の文章問題から始められます。低学年では、おはじきや丸、矢印など簡単な表し方で十分です。高学年では割合や速さに合わせ、数直線や表、関係図も使います。
Q4.市販の問題集をたくさん解けば得意になりますか?
式を勘で選んでいる段階で問題数だけ増やすと、同じ間違いを繰り返すことがあります。まず1日1問で4ステップを確認し、同じ型を3問中2問自力で立式できたら、2〜3問へ増やしてください。
Q5.親が式を教えてはいけませんか?
完全に教えてはいけないわけではありません。質問、図の枠、演算の2択、類題の順でヒントを具体化し、翌日は一段階少ないヒントで試します。目標は、答えを隠すことではなく、子どもが手順を再現できるようにすることです。
Q6.漢字や算数用語で止まる場合はどうしますか?
問題文中の漢字が読めない、「残り」「差」「倍」「割合」の意味が分からない、音読時の読み違いが多い場合は、文章問題の量を増やす前に語句を確認します。
漢字や算数用語を読み違える場合は、覚え方と語彙の確認方法を見る
Q7.間違いを怖がって何も書かない場合はどうしますか?
式の作り方だけでなく、失敗への不安を下げる関わりが必要です。「正解したか」ではなく、「問いに線を引けた」「図を一つ描けた」と途中段階を具体的に伝えてください。
9.まとめ|今夜は数字と単位に丸をつける
小学生が算数の文章問題で手を止めたときは、「もっと読みなさい」「何算か考えて」と一度に求めず、止まっている段階を分けます。
- 数字と単位に丸をつける
- 問いに線を引く
- 数量関係を一言で説明する
- 図から式へ変える
今夜は文章問題を1問だけ選び、10分で終了してください。7日後に初見問題3問を使い、家庭で継続するか、前の単元へ戻るか、学習方法を見直すかを決めます。
7日後の状態から、次に読む記事を選ぶ
図と式を3問中2問作れた
この記事の4ステップを継続し、翌週から1日2〜3問へ増やします。
計算・単元理解で間違える
漢字・用語を読み違える
間違いを怖がり、答えを書けない
小4〜小6で、親が毎回教える負担が大きい場合
7日間試しても一人で開始できないときは、教材名を先に選ぶのではなく、図解・動画・紙・タブレットなど、どの学習形式なら進めやすいかを判定します。
※小4・小5・小6向け。診断後は第一候補・第二候補と、合わない条件まで確認できます。
【小4〜小6】親が教え続けるべきか30秒で判定する
